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吉州窯について-1-

2024.12.09 豆知識

吉州窯は磁州窯や越州窯を参考にしながら、唐時代位から地方で雑器窯としてはじまったと思われる。
土はやや柔らかくかなり薄い仕上げになっている。

図柄や釉薬のかけ方により隠れるようなさみしい見た目になっている。
例えば、ベッコウ柄、うさぎ柄、うずらの卵柄、なまこ柄など、みな何かに隠れて生きていこうとする図柄である。

釉薬は2回に分けてかける。黄釉と黒釉のかける順序は、入れ替わることがある。
黄釉は酸化で黄色を出すために植物の灰をぬる。他の窯では黄色が綺麗に出るもみ殻の灰、たけのこの皮などが使われているが、吉州窯は色々な植物を混ぜた灰を使っている。あまりきれいな黄色が出ていないが、早く安く作るためにこの方法を用いたと思われる。
黒釉は鉄釉をかけて黒を出す。その頃のお茶は白茶で透明に近いため、他の器との違いや見栄えをよくしたと思われる。

時代では宋時代のものが素晴らしいとされ、有名な人が持っている伝来品は、価値がある。発掘調査の結果、現代まで焼かれていた感じである。

宋時代のほかの窯では、青空や青い海とか白いものは雲などを表現したいつまで眺めていても飽きない落ち着く感じの作品が多い。
その中、吉州窯の作品は、多くの事を語ろうとしているように思える。
中国茶碗の多くは、こかしても自分の力で起きようとするが、吉州窯の茶碗は起きようとしない物がある。
大きな器では、高台が小さくこけやすくなっている物がある。これは、大きな会社はこければ起き上がれないと語っているように感じる。人生いろいろな経験をしている人は吉州窯の器からいろいろなことを感じ取れることができる。
奥の深い窯である。